
- プロフィール
- 61歳
- 準社員
- 入社1年目

定年後の再就職

私は60歳で定年退職しました。少しながら退職金もあり、年金ももらう歳で生活するだけのお金はありましたので、当初は働かずのんびり過ごそうと考えていました。
ところが「このまま何もせずに過ごしていていいのか?」と半年で危機感を持ってしまったんです。やはり長年働いてきた習慣が身についていたんでしょうね。
ボランティアは自分に合わないと思っていましたから、やはりやるなら仕事です。条件は、『通勤に時間のかからない勤務地であること』、『ノルマやプレッシャーなど責任の重くない仕事であること』の二つでした。
少しずつ求職情報を集めるようになりましたが、最初はタクシー運転手という選択肢は全くありませんでした。
偶然出会った遠鉄タクシー
遠鉄タクシーとの出会いは偶然です。何気なく新聞を読んでいた際に、求人広告を見つけたんです。

勤務地が自宅から近かったことと、遠鉄タクシーが地域一番店であり、ここならプライドを持って仕事ができそうだと思ったことで応募しました。
60歳を超えていましたが、準社員として採用され、同時入社の3名で免許を取得しました。この同期と一緒に免許の取得から研修まで受け、一緒にがんばろうという仲間意識が持てたことも、入社前の不安を軽いものにしてくれました。
3か月で習熟。仕事を楽しむ余裕も

接客業は初めてでしたが、以前の営業経験からお客さまとお話したり、多少のわがままに対応したりすることには慣れていましたので、スムーズに仕事を始めることができました。
もちろん基本の接客、地理や機器の操作については、事前の手厚い研修があったからこそだと思います。3か月も経てば一通りの業務をこなし、不慣れな場所でも問題なくご案内できるようになりました。
慣れてくると仕事を楽しむ余裕も出てきました。単調に見えるタクシーの仕事ですが、消費者に近いため世の中の実相が見える面白さがあるんですよ。
景気のちょっとした動きで繁華街での乗車や若い方の乗車が減るかと思えば、病院へ行くお年寄りの送迎は全く減らないという具合です。タクシーの送迎がこんなにたくさんのお年寄りの足として使われていることも初めて知りました。
やる気次第で成果がついてくる

入社して感心したのは、遠鉄タクシーの配車システムの素晴らしさです。
正直に言いますと、「タクシー運転手の仕事など自分にできるだろうか」と思っていました。客待ちで街中をぐるぐる走り回ったり、夜中まで勤務時間が長かったりというイメージが強かったんです。でもここにはそれがない。乗車の大半は配車センターから送迎の指示のあるお客さまですし、1日の勤務時間も4勤2休というシフトもきっちり管理されています。初心者の私も安心して飛び込むことができました。やる気さえあれば成果につながるしくみも気に入っています。
配車システムや配車センターからの道案内があるので、経験の浅いドライバーもがんばればきっちり成果が出るんです。私のような年寄りの新人ドライバーが、先月なんと220人中17位だったんですよ。10日ごとの成績発表もモチベーションが上がります。
私はやり始めたら努力せずにはおれない性格で、最近は非番の日にお客さまのいそうな場所をドライブしながら探したりもしています(笑)。
家族も応援、私生活も充実

私があんまり楽しそうに仕事に出掛けるもんですから、最初は反対していた家族も今では笑って応援してくれています。
早番の勤務後や休日は妻と畑に出てお茶や野菜作りに汗を流します。この歳になって、これほど充実した生活が送れるとは思いませんでした。
仕事にも欲が出てきています。
安全でクレームのない運転や接客は当たり前で、いかにお客さまに喜んでいただけるかを今工夫中です。今後は売り上げをどうやって高めようか、どうやって燃料費などのコストを抑えようかと考えを廻らせています。結局、私は働くことが好きなんでしょうね。
(2008年9月取材)


