平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ここに当社グループの第114期上半期(2025年4月1日から2025年9月30日)の概況についてご報告申し上げます。
本年度上半期のわが国経済は、継続的な賃上げや人手不足を背景とした業務効率化・DX投資の拡大、外食や旅行などのサービス需要の回復に支えられ、緩やかな回復基調を示しました。しかしながら、物価上昇が継続し生活必需品が占める家計への負担は一段と増加する中で、消費者心理は依然として厳しい状況が続きました。また、観測史上最高の猛暑を記録するなど、顕著になる気象の変化が消費行動や生活に影響を与えました。
このような状況の中、当社グループでは、遠州鉄道ウェルネス事業本部の設置や、静岡トヨタ自動車とトヨタレンタリース浜松の合併を実施しました。新たなマネジメント体制を構築して親和性のある事業を統合することにより、組織力と顧客価値の増大を図りました。また、最大の資源である人材が、健康的かつ意欲的に職務に取り組み、その能力を充分に発揮できるよう、賃金改善や職場環境改善など処遇の向上に努めました。
結果、当上半期における当社グループの連結業績につきましては、営業収益1,086億4千3百万円(前年同期比2.2%増加)、経常利益43億2千6百万円(前年同期比1.5%増加)、中間純利益32億3千1百万円(前年同期比22.0%増加)となりました。
今後の見通しにつきましては、物価上昇・エネルギー価格や資材価格の高止まり、深刻な人手不足に加え、米国関税政策の影響の顕在化などが予測され、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くものと思われます。
このような状況の中、当社グループは中期経営計画基本方針「人を大切にして企業価値を高める」のもと、引き続き人への投資を最も重要な経営課題の軸とし、人材育成と組織の活性化に取り組んでまいります。この取り組みにより、それぞれの事業が成長する体制を構築し、遠鉄グループの持続的な企業価値向上を図ります。
これからも当社グループは、安全・安心な商品・サービスの提供、変化する経営環境への対応を通じて「地域とともに歩む総合生活産業として社会に貢献する」という経営理念の実現に向け、取り組んでまいります。
株主の皆さまには、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
トップメッセージ
Top Message

ー 株主の皆さまへ ー
2025年11月
代表取締役社長 丸山 晃司
連結業績の推移(中間)
(百万円未満を切り捨てて表示しております)
※2025年度(114期)より遠鉄アシストのセグメントを「その他の事業」から「不動産事業」へ変更しております。
Topics遠鉄グループトピックス
(2025年4月~2025年9月)
健康経営の推進
ヘルスキーパーの導入
遠州鉄道では2025年8月より、浜松市内初となるヘルスキーパー※を導入しました。視覚障がいを持つ有資格者が、バス乗務員をはじめとする従業員にマッサージや健康相談を提供し、健康維持とリラクゼーションをサポートします。
中期経営計画基本方針「人を大切にして企業価値を高める」のもと、従業員の心身の健康増進と働きやすい職場づくりを推進するとともに、多様な人材が活躍できる雇用機会の拡大を目指します。
※ヘルスキーパーとは
企業内で従業員の健康管理やリラクゼーションを担当する国家資格を有する「あん摩マッサージ指圧師」等を指します。従業員の健康増進を図るため、マッサージや健康相談を行います。

▲浜松西営業所 遠鉄健康サポート室

遠州鉄道
運輸事業本部
乗合バス事業の運賃改定実施
運輸事業本部では2025年11月、乗合バスの運賃改定を行いました。
2023年7月に運賃改定を実施し、安全な輸送確保と路線維持のため、乗務員の処遇改善や継続的な車両更新に努めてまいりました。また、クレジットカード等によるタッチ決済を導入するなど、お客様の利便性向上を図るべく積極的な設備投資も行ってまいりました。
しかしながら、物価高騰や慢性的な乗務員不足が続いており、取り巻く環境は年々厳しさを増しています。これまでも運行効率の見直しや経費削減など企業努力を重ねて路線維持に努めてまいりましたが、このような事業環境において将来にわたり安全·安心·快適な公共交通サービスを提供し続けるためには、更なる経営努力に加えて、運賃改定による安定的な収益の確保が必要不可欠と判断し、運賃改定にいたりました。
▶︎路線バス(乗合バス)事業の運賃改定実施について(PDF)


▲路線バス(乗合バス)普通運賃
※一部区間では上記に当てはまらない場合がございます。
運輸事業本部
バンビツアー 55周年
1970年の「日本万国博覧会(大阪万博)」を機にスタートしたバンビツアーは、2025年9月に55周年を迎えました。誕生以来、延べ1,000万人以上のお客様にご参加いただいております。
節目となる本年は、大盛況で幕を閉じた「 EXPO2025大阪・関西万博ツアー」や過去に大好評だった「豪華客船飛鳥Ⅱで航くクルーズの旅」など、これまでの感謝の気持ちを込めて魅力あふれる旅先を厳選した「55周年記念コース」をご用意し、多くのお客様にご利用いただきました。
これからもバンビツアーは、時代とともに多様化する旅行スタイルにお応えし、旅を通じてお客様に幸せをお届けできるよう努めてまいります。

▲好評につき万博ツアーは当初計画より増便


▲バンビツアー冬カタログにて受付中
遠鉄百貨店
地方百貨店連携による
「静岡ご当地フェア」開催
遠鉄百貨店では地方共創取り組みの一環として、2025年6月に東急百貨店さっぽろ店(北海道札幌市)、同年9月に福屋八丁堀本店(広島市中区)において「静岡ご当地フェア」を開催しました。本催事では、静岡県が誇る特産品であるお茶やうなぎ、銘菓をはじめ、多彩な商品を取りそろえ、来場者に静岡の魅力を存分に感じていただきました。
こうした取り組みを通じて、地域の生産者と全国の消費者をつなぐ役割を果たすとともに、静岡ブランドのさらなる
認知向上と販路拡充を目指してまいります。

▲東急百貨店さっぽろ店での催事の様子

▲福屋八丁堀本店「静岡ご当地フェア」催事チラシ 一部抜粋
静岡トヨタ自動車
静岡トヨタ自動車とトヨタレンタリース浜松の統合
2025年4月、モビリティサービス事業の経営効率化を図るため、静岡トヨタ自動車とトヨタレンタリース浜松が合併しました。
クルマをつくる会社からモビリティ·カンパニー※への変革を目指すトヨタ自動車の戦略に呼応し、全国のトヨタ販売店に先駆け、「レンタリース営業本部」を新設し、自動車販売・カーリース・レンタカー等のモビリティサービスをワンストップで提供できる体制を構築していきます。
お客様の価値観や消費行動の変化にいち早く対応していくため、2社の経営資源を共有し、最大限活用することで競争力を高めてまいります。
※モビリティ·カンパニーとは
「クルマをつくる会社」から進化し、新たな移動の価値を創造するとともに社会全体の利便性向上を目指して、
人やモノの移動(モビリティ)を支えるあらゆるサービスを提供する企業。


▲静岡トヨタ自動車法人営業部、レンタリース営業本部静岡営業所メンバー
遠州鉄道
不動産事業本部
「遠鉄の不動産 藤枝店」オープン
不動産事業本部では2025年5月、藤枝市に「遠鉄の不動産 藤枝店」を新規開設しました。
藤枝エリアに精通した不動産歴20年以上の経験を持つスタッフを配置し、売却査定· 購入相談·相続相談といった幅広いご要望にワンストップで対応できる体制を整えております。静岡県中部エリアで、より多くのお客様に不動産仲介・管理サービスを提供してまいります。


▲藤枝店メンバー
遠鉄観光開発
浜名湖パルパル66周年
遠鉄観光開発が運営する「浜名湖パルパル」は2025年7月に開園66周年を迎えました。1959年の開園以来、小さなお子さまから大人まで家族みんなで楽しめるリゾート型遊園地として多くのお客様に親しまれてきました。
本年は静岡県出身である松村北斗さん(SixTONES)がパルパルファンを意味する「パルっ子」の代表に就任し、66周年を一緒に盛り上げていただいています。
これからも浜名湖パルパルは、皆さまにより楽しい体験をお届けできるよう、さまざまな企画づくりに努めてまいります。


遠州鉄道
ウェルネス事業本部
北陸保険営業所・東北保険営業所の開設
ウェルネス事業本部保険営業部では、生命保険代理業における販売エリアの拡大と、既存のお客様へのきめ細やかなアフターフォローサービスの提供を目的として、2025年7月に北陸保険営業所を、同年8月に東北保険営業所を開設しました。
長年培ってきた手厚い顧客フォロー体制を活かし、日本一の代理店を目指してまいります。

ウェルネス事業本部 健康介護事業部
ラクラス豊橋小鷹野デイサービス開業
2025年8月、豊橋市内5拠点目(ラクラス全体では29事業所目)となる「ラクラス豊橋小鷹野デイサービス」を開設しました。
豊橋市内の地域の皆さまにとって「より身近で」「通いやすい」施設を目指します。

▲ラクラス豊橋小鷹野デイサービス

▲ラクラス豊橋小鷹野デイサービスメンバー
<ラクラス豊橋小鷹野デイサービス施設長コメント>
当施設では「あなたの歩みを全力応援」をコンセプトに、一人ひとりの人生に寄り添い、その人らしい暮らしを支えることを大切にしています。これまで歩んでこられた道、そしてこれから進む道に、安心と笑顔が続くよう、職員一同、心を込めてサポートしてまいります。
特集ウェルネス事業本部 発足

遠州鉄道では、4月1日より保険事業、介護事業、スポーツクラブ事業を統合したウェルネス事業本部を新たに発足し、身体的・精神的な健康を軸とした「生涯を見据えたウェルネス」の推進を目指していきます。高齢化が進む日本において、健康寿命を延ばし、生活の質を向上させるウェルネス※市場の急成長が予想される現代、強固な組織力と顧客価値の増大に取り組みます。
ウェルネス事業本部
本部長 平野 昌利
近年、老若男女を問わず、日常的に運動を取り入れたり、病気予防の観点から食事に気を配るなど、健康への意識が一層高まっています。こうした流れは企業にも広がり、「社員の健康を守ることが企業の成長につながる」という考え方が浸透しています。 また、NISAやiDeCo、保険などへの関心が高まるなど、人生の早い段階から将来に備える方も増えています。こうした時代の流れを踏まえて発足した「ウェルネス事業本部」は、まさに社会のニーズに応える最適な取り組みであり、新たなビジネスチャンスを掴むための礎になると確信しています。これまで分散していた多様な分野のプロフェッショナル(ファイナンシャルプランナー、介護士、スポーツインストラクター、など)が集結することも、ウェルネス事業本部の大きな強みです。それぞれの知識・経験・感性が互いの強みを生かして連携することで、事業を発展させる新たな発想が次々と生まれることを期待しています。まずは、そうした力を存分に発揮できる体制と環境づくりに、着実に取り組んでまいります。






病気を治す・予防するだけでなく、運動・食事・生活習慣・お金の備えなどを通じて「人生をより豊かにすること」を目的とする生き方。このような生き方の最適化を推進するサービス市場は、今後急速な成長が予想されており、その市場規模は約90兆円にもなるといわれています。